虹色サイダー
「じゃあ、もう一本買ってみて」



無駄に口を挟まない虎に、いやもうちょっと色々驚いてもいいと思うんだけど、再び百五十円を渡す。


物覚えのいい彼だから、なんてことなく自動販売機からサイダーがまたひとつ出てきた。



それを取って虎に渡すと、冷たいことに驚いたのか目を見開いた。



「じゃあ、それを持って思李探してきて」


「……儂がか?」



おおー、露骨に嫌そうな顔。


その顔は、知らない場所で一人になることに対してでしょうか、思李を探すことに対してでしょうか。



「いや、俺も探すから。そうだなぁ、虎はこの道真っ直ぐ行って、そうしたら扉があるから、そこから庭探してみて」



まあ一人になりたい場所って言ったら、このでかいショッピングモールならあそこがベストでしょ。


さっきそっちの方向行ったし、あいつ。


 
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