虹色サイダー
「……このままじゃ苦しいだろ。下着のホックと、デニムのボタン外してやるだけだ」



いや、お前がやるってんなら、それでいいんだけど。


そういう素振りちっとも見せねぇし。



心の中で付け加えると、男が暫し考えるような表情を浮かべた。



……ん? 何で考える必要があるんだ? 一般的な処置じゃねぇ?



「……そうか」



よくわからんけど、そこは納得したらしい。


手首も解放されたことだし、改めてデニムに手をかける。



「……だから」



と、今度は腕を掴まれ静止させられる。



「外すだけだっつーの。何もしねぇよ」



第一お前がいるところでそれ以上出来るかっつの。



「それは娘だ」


「は?」



え、何? 娘ってお前父親じゃないよな?


あ、いやこの場合は「女だ」ってことか?


 
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