虹色サイダー
しかし思李は俺が帰ってこなかったらどうするつもりだったんだろう。


しょっぱな二人で風呂?



それはそれで面白いけど、面倒なことになったら嫌だし。


やっぱり俺がいる間にこういったことはみっちり教え込まないといけないよな。



髪をほどいた虎は、また違った色気を持ち合わせている。


そういえば戦国時代って両刀が当たり前の時代か。


となるとこの人も当然……ってさすがに考えたくねぇ。



「安心しろ」


「ん?」



そこまで広くない風呂に男二人は結構手狭。


それでもお湯を被っていると、虎が呆れた顔でこっちを見てきた。



「儂には小姓の経験もなければ、小姓を側に置いてもいない」



お……俺が不安に思ってたことばれてるじゃん。



「でもそれってちょっと白い目で見られるんじゃ?」



あの時代って確か男も女もはべらせて一人前的なもんじゃなかったっけ。



「他人の目など気にしておれん」


「ふーん……」



じゃあまあ俺の貞操は守られたってわけで、多分。


 
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