虹色サイダー
力が敵うわけもなく、ひょいと引っ張られた私の身体は、廊下の壁と虎の間に納められて。


なんだかとっても嫌な記憶のある体勢に。


逃げられないも何も、がっちり捕まってるんですが。



……これは、あれだよね?


もう今更とか思えないですよ、私は!


そんな妖しくて艶っぽい顔してたって、無理なものは無理です!!



……って言えない根性無しですみません。


でも、イヤ。



「……そんな嫌そうな顔すんなよ、お前」



よく考えていることが顔に出るといわれる私。


さすがの朝虎様にも伝わったのでしょうか。



盛大な溜め息と共に、近づいていた顔が離れていった。


その上顔を背けられる。


 
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