虹色サイダー
「もういい、萎えた」


「は……!?」



いや、ちょっとなんだかそれはそれで聞きたくない発言なのですが。


あれ、でもまあ危機は逃れたんだからいいのか?



握られていた手も離され、朝虎は「飯だ」とだけ残して茶の間へ行ってしまった。


その背中がちょっと沈んで見えて。



……もしかして、傷つけちゃったかな。



一瞬、不安な気持ちも生まれる。



いや、でもどうせ朝虎から目が覚めたら忘れるんだし、というか根源はあっちだし?



釈然としない気持ちを持ったまま、私は台所に向かい急いで朝ご飯の準備を始めた。


ご飯は昨夜の残りが冷凍してあるから、レンジに入れて。


お味噌汁に入れる茄子を刻みながら、ところでどうやったら朝虎モードは解除されるのだろうか、と考えていた。


 
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