mermaid
え?
彼があの子なの?
私は今まで同じ人間と再開した事がなかったからっ。
どうしよう。
本当に、どうしよう。
声をかけるなんて出来なくて。
あんなに逢いたいと思っていたのに、なにも出来ず岩陰であたふたするだけ。
「はぁっ……」
「裕也!いたかー?」
「いねぇ!」
「空耳じゃね?
こんな時間まで居るわけねぇよ。
さっさと帰ろうぜー!」
「……あ、あぁ」
彼は不思議な様子で沖へと泳いだ。
*