生まれ変わっても私でいたい。
第1章 私に生まれて
育ち
おぉ~
おかえりぃ~
我が家の裏には畑があった。
学校から帰ると、全身土まみれになった
じいちゃん
ばあちゃん
が、曲がった腰を伸ばしてこっちに手を振っている。
畑でとれたトマトは宝石みたいにキラキラしていて、
中から ぷちゅっ って出てくる位、
ジューシーで甘い。
ざるにいっぱいになるくらいのトマトを、
嬉しそうに持ってくる
らんか~
ほぉら!
見てみ!
その嬉しそうな顔をよく思い出す
じいちゃん
ばあちゃん
そして一人っ子の私
三人で囲む食卓が、日常だった。
はっきり言って、
ばあちゃんの味付けは濃い
何でも砂糖をかける
「まずい」って言って残しちゃう事もあった
あと、よくあるのが
焦げ臭いこと。
焦がすとすぐにバレて、よくじいちゃんに怒られてた
その時は私も一緒になってばあちゃんをけなしていた
でもばあちゃんはいつもご飯作ってくれたね
ありがとう
昔の味付けでごめんよぉ
なんて時々こぼしてたけど。
夕飯はだいたい6時半。
空席が2席ある、3人の食卓。
今日の学校のことを全部話していた
じいちゃんの戦争の話は何度もきいた
7時になって、じいちゃんが食べ終わった頃に
ただいまぁ~!
ママが帰ってくる
ママが席に着いて、ばあちゃんが作ったご飯を食べる
ばあちゃんが食べ終わった頃に
パパが帰ってくる
ここでもまた
空席が2席ある、3人の食卓。