メイドのお仕事

その後、利琥はどこかへ行ってしまったが、潤たちが助けてくれた。


美優たちは、作戦成功っ!とか言って去って行った。



「うっ…ぐすっ」


「大丈夫?怖かったよね」

「どっか痛い?」


潤が自分の制服を私に掛けてくれる。


みんなが心配してくれる。



でも…今、私が欲しいのは…。


利琥…どうしてよ…。



…信じてくれると思ったのに。


「私…もうやだ」

「葉凪…」


「みんな…うざいっ!…美優も…繭も拓弥もっ!!……利琥も」




「葉凪…もう、俺たちとは関わるな」

「うん、メイドも辞めて良いから」


「え…」

メイドを辞めたいとか、そういう問題じゃなくて……え?


「俺たちといると、ろくな事ねぇし」


「女の子って怖いからね」



…私は返事が出来なかった。

これじゃあまるで、みんなだけが悪いみたいじゃない…。



そんなわけない!悪いのは私。


そんな…悲しい顔、しないでよ。

また涙が溢れてきそうになった時。






「葉凪……」


ずっと…私が求めてた声。


「利琥…っ!?」

目の前には、利琥がいた。



「葉凪…悪かった」


私を力強く抱き締める。



「り…利琥!?」

「俺、一番にお前の事…信じなきゃいけなかったのにっっ!!」


声…震えてる、泣いてるの…?

「どうして…っ」


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