メイドのお仕事

「あの写真…やっぱ、おかしかったよな…葉凪、泣いてたし」

…利琥。



「お前の事信じてやれなくて……ごめん」


利琥は私を抱き締めたまま泣いている。


「利琥…泣かないで」

私は利琥の涙を拭う。



「ごめん…ごめん」


「もういいって…私は平気だよ?」



やばい…涙、出そう。


「利琥、葉凪とはもう…関わるな」

「は…?何で…」



「決まってるだろ!お前は今までどれほど、葉凪を傷付けた?」


潤、待って…!?私、大丈夫だよ?

心で思っても声に出せない。


「葉凪…苦しかったか?俺たちといて…」

慌てて首を振る。

違う…そうじゃないよっ!!



「いいんだよ無理しなくて」

「っ違う!!私…みんなといたいっ!」

やっと声になる。


「でも、もう葉凪を傷付けるわけには…っ」


「傷付いてないっ!その度にみんなが助けてくれたじゃん!!私っ…一人になる方が怖いっ!!」


……みんなと離れたくない!

思ってた気持ちが爆発した。




「分かったから…もういいから」


利琥がもう一度、私を抱き締める。




「私…一緒にいたいよ…」

「ありがとう…葉凪」


私の意識は、そこで途切れた。


覚えてるのは…温かい腕の中にいて…。

ただ、ただ…心地良かったって事。


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