メイドのお仕事
「安心してよ、もう何にもしないから」
「ちょっと待って…、どういう事?」
「そのまんまだよ。飽きたの、あんたを苛めるのも…利琥も」
美優はいつもと変わらず、私たちを見下しながら笑う。
「俺?」
「あんたみたいな女ったらしを好きだったなんて、どうかしてたわ」
ちょっとちょっと、あんたがそんな事言う資格ないんじゃない?
「あ、そ」
「拓弥も繭も気持ちは一緒よ。じゃ、ばいばい」
何よそれ…。
そんな簡単な言葉で逃げる気?卑怯者。
「待ちなさいよ」
「え?…何よ」
「勝手な事言ってんじゃないわよ」
都合が悪くなったからってそれはないんじゃないの?
びびる位なら最初からするなって話じゃん。
「葉凪…、やめろ」
だって、こんなのおかしい。
「ふん、ムキになっちゃって……あぁ、根にもってんの?」
「そんなんじゃない、ただ筋を通せって言ってんの」
「…うざ。はいはい、私が悪かったわよ」
美優は適当に言葉を並べて、足早に去ってしまった。
「あ、ちょっと待ちなさいよ…!」