メイドのお仕事
既に美優は遠く彼方に消えてしまった。
……ま、仕方ないか。
「畜生あの野郎…復讐できなかった」
振り返ると、みんな同じように拳を握り締めていた。
「自分からああやって言ってくんのって…卑怯だよね」
「もうそれ以上、手出せないからな」
「むかつく!何なのあの子!!」
腹黒いよみんな…。
「あの…もう、いいんじゃないかな?」
「…葉凪、?」
「もう忘れようよ、私…メイド頑張るから!」
「え…?」
「い…今までより、みんなを癒すから!」
意味不明な言葉を言ってる気がするけど、とにかく話を逸らさなきゃ。
って、あれ?何かみんな目つき変わってない?
「利琥…」
潤が私を見たまま口を開いた。
「あぁ?」
「俺は我慢なんてしないからな。全力で葉凪に癒されにいくからな」
「僕も。利琥なんかに遠慮とかないから」
「あー俺も!」
「てめぇら…覚悟しとけよ」
何この展開…。
「あの……?」
「葉凪、お前…無防備過ぎなんだよ!」
「へ?」
「何であんな事言うんだよ…」
何、落ち込んでんの!?
「ど、どうしたの…利琥?」
「分かんねぇのか?」
―――グイ