メイドのお仕事
そこまで言って、また葉凪の顔が下がる。
今度は何か、様子がおかしい。
徐々に溜まっていく、涙。
強く握られる、拳。
「り、く…」
誘うような目で俺を見る。
……そんなに心配しなくていいのに。俺はここにいるのに。
「葉凪…おいで」
今すぐ抱き締めたくて、両手を大きく広げる。
葉凪は一粒涙を流して、俺の胸に飛び込んできた。
ふわり、と葉凪の香りがする。
小刻みに震える葉凪を抱き締めれば、安心したように息を吐き出す音が聞こえる。
「好きだよ葉凪、俺じゃ…駄目か?」
優しく聞いてみると、横に首を振る葉凪。
ほんと可愛い。
「利琥じゃなきゃやだよ…私も、利琥が好きだから…っ」
ぎゅっ、と抱き締め返す葉凪が愛しくて、俺は安堵の息を漏らす。
「……良かったぁ」
葉凪は嬉しそうな顔で俺を見る。
「大事にする。幸せにするから」
頬を赤らめてコクンと頷く。
あぁほんと…堪んないわ。
おれは葉凪を押し倒した。