メイドのお仕事
俺に飽きたとか、意味不明な言い訳を並べてる美優。
まぁ正直、どうでもいいんだけどな。
「拓弥も繭も気持ちは一緒よ。じゃ、ばいばい」
何か、上手く逃げたな。
「待ちなさいよ」
葉凪がいつもとは違う声で美優を止めた。
「え?…何よ」
「勝手な事言ってんじゃないわよ」
「葉凪…、やめろ」
葉凪はキレると結構危ないからな。
「ふん、ムキになっちゃって…あぁ、根にもってんの?」
「そんなんじゃない、ただ筋を通せってって言ってんの」
にしても根性あるな、葉凪。惚れ直した。
「…うざ。はいはい、私が悪かったわよ」
逃げるように美優は去って行った。
「あ、ちょっと待ちなさいよ…!」
……あ、しまった。肝心な事忘れてた。
復讐。
「畜生あの野郎…復讐できなかった」
「自分からああやって言ってくんのって…卑怯だよね」
「もうそれ以上…手出せないからな」
「むかつく!何なのあの子!!」
「あの…もう、いいんじゃないかな?」
「…葉凪、?」
葉凪は優しい…、だからモテるんだ。
「もう忘れようよ、私…メイド頑張るから!」
「え…?」
「い…今までより、みんなを癒すから!」
…葉凪、ここでの天然は本気でいらねぇよ?