メイドのお仕事
「じゃあ…一応、もういっかい自己紹介しとこっか」
子供づれの親が多い、昼時のファミレス。
祐樹の提案で、みんなが口々に名を名乗る。
大人びた眼鏡くんは、潤。
このチャラ男は、哉弥。
で、この可愛いのは、祐樹。
最後に…
さっきから掴んだ手を離してくれない、利琥。
「哉弥は女ったらしだから、近付かない方が良いよ」
「余計な事言うな、祐樹!」
「あ、よろしく…お願いします」
うわ…この空気、苦手。
「とりあえず…何か食べるか?」
哉弥がお腹を擦りながらメニューを開く。
「おい…葉凪をここに呼んだ理由、忘れてねぇよな」
利琥が全員に問う。
その言葉で、メニューが閉じられる。
「え…何、ですか?呼んだ理由って」
「お前は今日から俺達の奴隷だ」
ちょ、…はい?
今なんておっしゃいました?
「はぃ?」
「違うよ!!葉凪は僕達のメイドだよ!!!」
「どっちだって同じだろ」
「全然違うよ!」
んなくだらない口論いらねぇし!!
「てかちょっと待って下さいっ!!何で私がメ、メイドなんて…」
「何となく気に入ったからっ」