メイドのお仕事


「何やってんの?」


この声…この低い声。


利琥!!?

その声は間違いなく利琥の声だった。


男はビックリして唇を離した。


でも、私自身を離してくれず気持ち悪い男に抱き締められたまま声の主を見る。




「あれ?」

利琥……じゃなかった。

めちゃくちゃガンを飛ばした、不良っぽい男だった。



「そいつ、離せよ」

やっぱり声は利琥そっくりだった。



「あ…彰―アキラ―様」


彰様!!?



「ごめんなさい彰様!私たち…」



「いいから早く消えろ」


「い、行くわよ!あんたたち」

その声を合図に男に解放され、フッと力が抜ける。


「おっと、大丈夫か」


それを彰が支えてくれた。



「あ、ごめんなさ……」

「何?」


やっぱりこの人、利琥に似てる。



「俺の顔に、何か付いてる?」

思わず見惚れてしまった。



「あ、いや…助けてくれてありがとう」


「別に。んな言葉より礼は?」



え…礼?

「あの、何をすれば…」



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