メイドのお仕事
私を引っ張る手が強まる。
「待って哉弥!話を聞いて…っ」
「うるせぇ!!陸がっ…」
え…?
「…利琥?」
何の事かさっぱり分からない。
「早く行こう!」
「あぁ…」
「あ…彰!」
「てめぇら、覚えてろよ」
私は祐樹たちに連れられて学校を飛び出す。
「ちょっと、まだ授業が…」
……。
無視。そりゃそうだよね。
どんな事情があってって、私は他の男と……。
「乗れ」
目の前にはリッチな車。
どうやら潤の家の車みたいだ。
バタンっとドアを閉めた瞬間走り出す車。
「ったく、利琥の一大事って時に」
それって、どういう意味?
「葉凪、君を説教するのは…利琥に会ってからだ」
「え、利琥に逢えるの!?」
つい弾む声。
だけど三人の表情は暗くて。
「どんな形かは…分からないけどね…」
「くっそ…っ!!」
え…?利琥に何があったの…!?