メイドのお仕事
「私、利琥のそばにいて良いの?」
ずっと、心の奥にしまい込んでいた気持ち。
強がって、意地張ってた気持ち。
利琥の…そばにいたいの。
望んでもいいこと、なの?
「当たり前だろ?俺のそばにいろ」
その声を聞いた瞬間、流さないと決めていた涙が溢れてきた。
良いんだ。
私、利琥のそばにいて良いんだ。
「…でも、彰は悪くないよ?」
私と利琥はベッドに座って、話をしていた。
「無理矢理つけられたんだろ?」
「まぁ、そうなんだけど」
でも、結局は私も受け入れちゃったし。
「つか…もういいよ、彰の事は」
「え?」
「もう、彰とそうゆう事はしないんだろ?」
確かに彰とはちゃんと別れたけど。
「なんでそんな事、利琥が知ってるの?」
「彰が、会いに来たんだ」
「え…」
「…とにかく、あいつとは片がついた。お前は気にするな」
……気になるけど、まぁいっか。
利琥のそばにいられるんだもん。
それだけで十分だよ。
「良かったぁ…」
「何が?」
「だって今日、お別れをしようと思ってたんだもん」
「別れ?俺にか?」
「うん、利琥に嫌われたと思ってたから…、だから本当に良か……んっ」
言い終わる前に唇が重なる。
甘くて、深いキス。
そのままベッドに押し倒される。