メイドのお仕事

けじめ

◇葉凪◇


今日は金曜日。


…明日は、とっても大切なあの日。

忘れてはいけない、大切な……。



私は、重い足取りで学校に向かう。


「葉凪」

校門の前で利琥に逢う。




「おはよ、利琥」


「あぁ、おはよ」


二人で教室に向かう途中、祐樹と潤に会った。



「おはよ!」


「祐樹…」



「葉凪、どうしたの?」


祐樹も、忘れてないよね?



「とりあえず、教室行こうぜ」


利琥がだるそうに声を出す。



「あぁ、うん」

私たちは一旦教室へ。




「祐樹、ちょっと来て」

自分の机に荷物を置いて祐樹を呼んだ。


「うんっ」


相変わらず可愛い笑顔。


でも、私には分かるんだよ?

その笑顔が…―――。





「…あのさ、葉凪」


人気の無い空き教室に私と祐樹。



「こんな所にいると、利琥に誤解されちゃうよ?」



…確かにね。

だけど、誰にも聞かれたくないから。



「祐樹、私…明日行くよ」


「え…?」



祐樹の顔色が変わった。


「祐樹は、どうする?」

「い、行くってどこに…?」


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