メイドのお仕事


葉凪は駆け足で学校を出て行った。


つか、学校内の売店行きゃあいいのに。




「利琥ー、何ピリピリしてんのー?」


祐樹はムスッとしてる俺の顔を覗き込む。


「別に…」

「んだよ、ヤキモチ妬いてんのか」


「利琥は素直じゃないからね」


あーうっぜ、こいつら。


―――――――――――――――



「ただいまですー」


軽く息を切らした葉凪が帰ってきた。

「おかえりー」


「潤、珈琲どうぞ」

俺の目の前で、葉凪が潤に珈琲を渡す。




「どわっちゃあぁぁ!!!」



「潤、どうかした!?」

「あ…熱い……これ、ホット珈琲…」


どうやら葉凪は特別熱い珈琲を買ってきたらしい。


熱いのが苦手な潤に、祐樹でも持てない珈琲を持たしちまったわけだ。

これは普通に葉凪のミスなのかもしれない。








だからと言って……


何でそこまでする必要がある?



< 27 / 280 >

この作品をシェア

pagetop