メイドのお仕事
「あの…それって断ることとかは…」
「あ?お前に拒否権はねぇよ。ほら、早くしねぇと昼休み終わっちまうぞ?」
どうやらこれは絶対命令らしい。
しょうがない、行くかぁ…。
「……行ってきます」
読みかけていた厚めの本をパタンと閉じる。
何で大家さんが殺したのか、謎が知りたいのに…。
嫌々オーラMAXで、私は教室をでた。
「おう、気をつけてなー」
振り返ると、利琥が満面の笑みで私に手を振っている。
っ…むかつく!!
私は小走りで、騒がしい昇降口を出た。
どこにあるんだろ、スターフルーツ味……。
つーかスターフルーツってなに?
とりあえず、近くのコンビニに寄ってみることにした。
「あの、スターフルーツ味のファ○タってありますか?」
ファ○タ周辺を探してみたが、案の定見つからないので店員さんに聞いてみることにした。
「…は?」
店員は「こいつ何言ってんの、まじで」的な顔で私を見てる。
ちょ、私…客なんですけどー!
「あの…」
「あっ、いや…そのような商品は取り扱っておりません」
はっとして顔を上げ、私を一切見ずに店員は言った。
「…そうですか、分かりました」
私は逃げるように店を出る。
…もう二度と来れないじゃんかぁ……。