メイドのお仕事
「ど、どうしているんですか!?」
「どうしてって?」
目の前に立っている利琥。
さっきは確かに教室にいたのに!!
「だって…っ、今授業中だし」
「ああ、お前が外にいんの見えたから追ってきた」
…バレてたんだ。
「そう、ですか…」
「で?」
俺のは?と、催促するように手を差し出す。
「ごめんなさいっ…ありま、せんでした」
ペコっと頭を下げ、謝る。
うっわ。
頭上から怒りのオーラを感じるんですけど…。
「んだよ、本当使えねぇな」
―――ズキン。
私は微かに、胸の奥に痛みを感じた。
「役立たず、もういいや」
こぼれてしまいそうな涙を堪えるのに必死で、
利琥が去って行った事に気が付かなかった。