メイドのお仕事
◆利琥◆


あれから数日、葉凪があからさまに俺を避けている。


目が合ってもすぐ逸らされるし、近付いたら逃げられる。

……むかつく。


確かにあの時冷たくしたのは俺だ。


けど、あれは軽い冗談だった。

ちょっと苛めたくなっただけ。


本気にされるなんてこれっぽちも思っていなかった。



「…葉凪」

そう呟くと、胸が痛んだ。


何なんだよ、これ……。



得体のしれない痛みに、不安と焦りが募る。








「利琥ーっ」


「…祐樹」



教室の窓際に寄りかかって外を眺めていると、祐樹が話しかけてきた。


「昼休みだけど、中庭行かないのー?」



中庭は、いつも俺らが集まる場所。

一週間前から葉凪もそこに加わった。



「ああ、俺はいいや」


「何でー?」




「何となく、一人になりてぇ」



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