メイドのお仕事

放課後。

俺はいつもの場所へ向かおうと、鞄を持って小走りに階段を降りていた。


「おい聞いたか、風雅が美少女コンテスト出るんだって!」

「まじ?風雅めっちゃ可愛いじゃん!俺、絶対投票しよ」

「あぁ、俺も!」


一年の教室で男たちが話をしていた。




葉凪が、あのコンテストに出る?

……ふーん。


「あ、そうだ!お前さ、美少女コンテスト事件って、知ってる?」

「あ?何だよそれ」



…美少女コンテスト事件……って何だ?


俺は壁に背中を預け、静かに話を聞いていた。



「なんかな、コンテストで優勝した子が必ずおかしくなるって話だぜ」

「変って、何だよ?」

「あぁ、なんか自暴自棄になったり鬱病になったり…とにかく学校に来れなくなるんだって」


何だそれ…。


「優勝した子が…ねぇ」

「噂じゃあ、妬んだ女がやってるらしいぜ」


「まじかよ…じゃあ風雅、危なくね?」

「だよな、しかもそれは年々エスカレートしてるらしいし…」

「女って怖ぇな」

「あぁ…」



……美少女コンテスト事件。

葉凪も出る。



俺には全く関係ない話なのに…。

なんで気になっちまうんだよ……。



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