メイドのお仕事


暫くすると、しょんぼり肩を下げた女が入ってきた。

「あ、葉凪っ!!」


この女が葉凪?

「凛…おはよ」


テンションの低い葉凪(勝手に呼び捨て)は、とぼとぼと自分の席に着く。



…気付いてねぇのか?





「お前、名前は?」



声をかけると、葉凪は肩を小さく震わせ、おそるおそるこっちを見た。

「っ…風雅……葉凪です、けど」


少しの沈黙の後、葉凪が名乗った。



「葉凪ちゃん初めまして!!僕、祐樹ね!よろしく」


「は…はぁ…」


目の前で祐樹が、葉凪に話しかける。




「祐樹、てめぇは誰の許可を取ったんだ?」

「はいはい、利琥様の許可がまだでしたねー」


いつもと同じやり取り。



俺も本気で怒ってるわけじゃない。



そんな事より、


「おい、てめぇ…無視してんじゃねぇよ」


葉凪が俺らを無視して席に着いた事の方がムカついた。



「…っへ!?」

「大体さ、自分の立場分かってんの?」







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