メイドのお仕事
「ただいまー」
「おかえりー」
数分後、葉凪が帰ってきた。
潤に珈琲を渡す葉凪。
他の奴に、笑顔向けんなよ。
と、言いたい所だが……我慢我慢。
「はい、祐樹……きゃっ!?」
祐樹にアイスを渡そうとした葉凪が、大きく転んだ。
俺は咄嗟に支えようとしたが、それは祐樹の方が早かった。
「わっ…と…大丈夫、葉凪?」
「あ…あはは、ごめん祐樹…痛くなかった?」
顔を真っ赤にして謝る葉凪。
―――グイッ
「え…っ」
「葉凪」
ズキンと胸が痛んだ。
嫌な予感は悲しすぎるほど当たっていた。
「……っ祐樹」
祐樹が低い声を出す。
それは本気を示していることを、俺は誰よりも知っていた。