メイドのお仕事
◆利琥◆



俺はあれから、中庭に行ってる。

でも葉凪はずっと来ない。



「葉凪が来ないーっ!!」


「お前のせいだろ」



お前が葉凪にキスなんてしなかったら…。

「つまんなーいっ」


葉凪がいないせいなのか、祐樹も潤も哉弥も会話をしようとしない。

みんないつも遠くを見て、考え事をしているようだった。


あいつがいないと…テンション下がる。



「っ葉凪!!?」

「葉凪!!?」

目の前には葉凪。


心臓が跳ねたが、俺はなんとか平然を装った。




「その子は…?」

「はいはいっ!私、美優って言います、よろしくね!」



「美優?可愛いねぇっ」

哉弥はいつもの調子で、軽く女に声をかける。


つか、美優なんてどうでもいい。

俺は葉凪に話がある。



「葉凪、ちょっといいか?」


「霧野くんっ」

葉凪は答えず、代わりに美優が俺に近寄ってきた。



「は、誰お前」


「だから美優です、み・ゆ!」

「俺に何か用?」


「いえっ?ただ、みなさんと友達になりたくて!」



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