キミとの時間
「今日こそは、一緒に帰ってくれるよね?」
「嫌だ」
「今日も断られた。 何で一緒に帰ってくれないの?」
「あんたと帰ると周りの女子の視線が嫌だから」
「視線??」
「…分からないなら良い。とにかく、私は一緒に帰らない!」
私がそう言うと、剣斗はいつものように悲しい顔をした。
普通の女子なら剣斗の誘いわ断らないだろうが、わたしは断る。
ブツブツ剣斗は何かを言っていたが、わたしはあえて聞こえないフリをした。
「剣斗く〜ん♪」
「あっ! 美麗(ミレイ)ちゃん♪♪」
さっきまで、悲しい顔をしていたのに急にぱぁっと明るい顔になり呼ばれた女子の元へと行った。
さすが女タラシ。
ある意味感心するよ。
「俺は諦めないから!」
剣斗はそう言って、教室から去っていった。
「やっと、嵐がさってった。」
「弥來はいつもいつも大変だね。」
「大変だよ…。 あいつがこの教室にくると、教室にいる女子のほとんどが私をにらむんだもん。」