君とみた未来
「ねぇ恭平。旅行先変えてもいい?」
「決まってんの?」
「まだ。パンフレット恭平の家にあるでしょ?もう一回見ようよ。夏休みだったら泊まってもいいじゃん」
「樹理北海道行きたいんだろ?」
「うんっ!」
あたしは、元気よく答えた。
「一回は行きたいよ。大自然!」
「本当の目的は?」
「ラベンダーソフトクリームとジンギスカンが食べたい!」
恭平が笑った。
「それだけじゃ、ないもん」
あたしは、わざとすねてみせる。
その時、一人の男の子が泣きながら歩いて来た。
「うあ~ん、かぁた~ん!」
迷子?
「恭平、迷子かなぁ」
恭平は、その男の子の所へ行って、聞いた。
「どうした?母ちゃん、いないのか?」
恭平を見ると、その男の子はウンと泣きじゃくりながらうなずいた。
「母ちゃんと一緒に遊びに来たのか?」
恭平は、また聞いた。
「ふぇ……うぁ、うわぁん」
「まいったな。ほら、抱っこしてやるから泣くな」
恭平は、軽々とその子を抱っこすると男の子の目の高さと自分の目の高さを合わせて。
「カアタン探してやるからな」
と、優しく話しかけていた。
あたしは、どうすればいいのか、わからないでいた。
「恭平、迷子なの?その子」
「たぶんな。公園内ならすぐ見つかるだろ。おい、何歳だ?名前言えるか?」
恭平の首にしっかり腕を巻きつけている男の子は指を人差し指だけ立てた。
「恭平、一歳だって」
あたしは、その指の数字を読んで恭平に教えた。
「ってことは、二歳の可能性もあるな」
「なんで?しっかり、人差し指立ててるよ」
あたしは、恭平に質問した。
「小さい子が簡単にチョキの形にするのは、けっこう難しいんだぞ。親指が薬指を押さえることが出来なくて、三歳になることもあるし、五本指を全て立てることだってある」
「何でそんなに詳しいの?」
「教育実習の賜物だな。名前、言えるか?」
「つばぁ」
ツバ?
まさかねぇ。
小さい子だもんね、名前だって、全然違うのかも。
「つばぁ、どこにいるの?つばぁ!」
一人の女の人が声を上げて叫んでいた。
「決まってんの?」
「まだ。パンフレット恭平の家にあるでしょ?もう一回見ようよ。夏休みだったら泊まってもいいじゃん」
「樹理北海道行きたいんだろ?」
「うんっ!」
あたしは、元気よく答えた。
「一回は行きたいよ。大自然!」
「本当の目的は?」
「ラベンダーソフトクリームとジンギスカンが食べたい!」
恭平が笑った。
「それだけじゃ、ないもん」
あたしは、わざとすねてみせる。
その時、一人の男の子が泣きながら歩いて来た。
「うあ~ん、かぁた~ん!」
迷子?
「恭平、迷子かなぁ」
恭平は、その男の子の所へ行って、聞いた。
「どうした?母ちゃん、いないのか?」
恭平を見ると、その男の子はウンと泣きじゃくりながらうなずいた。
「母ちゃんと一緒に遊びに来たのか?」
恭平は、また聞いた。
「ふぇ……うぁ、うわぁん」
「まいったな。ほら、抱っこしてやるから泣くな」
恭平は、軽々とその子を抱っこすると男の子の目の高さと自分の目の高さを合わせて。
「カアタン探してやるからな」
と、優しく話しかけていた。
あたしは、どうすればいいのか、わからないでいた。
「恭平、迷子なの?その子」
「たぶんな。公園内ならすぐ見つかるだろ。おい、何歳だ?名前言えるか?」
恭平の首にしっかり腕を巻きつけている男の子は指を人差し指だけ立てた。
「恭平、一歳だって」
あたしは、その指の数字を読んで恭平に教えた。
「ってことは、二歳の可能性もあるな」
「なんで?しっかり、人差し指立ててるよ」
あたしは、恭平に質問した。
「小さい子が簡単にチョキの形にするのは、けっこう難しいんだぞ。親指が薬指を押さえることが出来なくて、三歳になることもあるし、五本指を全て立てることだってある」
「何でそんなに詳しいの?」
「教育実習の賜物だな。名前、言えるか?」
「つばぁ」
ツバ?
まさかねぇ。
小さい子だもんね、名前だって、全然違うのかも。
「つばぁ、どこにいるの?つばぁ!」
一人の女の人が声を上げて叫んでいた。