君とみた未来
「あの人じゃない?」
あたしは、恭平に言った。
「かもな。ツバって言ってるし」
ホントにツバなんだ。
どんな漢字なんだろ。
女の人は、恭平に抱っこされているツバ君を見つけると、慌ててこっちに向かって駆け足で近寄って来た。
「す、すみません。うちの翼がご迷惑おかけしまして」
ツバサ?
あー、翼君かぁ、そりゃそうだよねぇ。
あたしは、心の中で一人納得していた。
「一人で、向こうの方で泣いていたので……でも、お母さんを探して、年齢も名前も言えるしっかりしたお子さんでしたよ」
恭平が、翼君をお母さんに渡しながら言った。
「すみません。興味のある物に気をとられると、あっという間に消えていなくなってしまうんです。さっきは、蝶々がいて追いかけていたら私の視界からいなくなってしまって、本当にすみませんでした。つば、お兄さんとお姉ちゃんに、迷惑掛けてゴメンナサイと、優しくしてくれてアリガトウを言いなさい」
あたしのこと、お姉ちゃんだって、なんかくすぐったい。
翼君は、恭平の顔を見て「たい」と言って、膝を少し曲げた。
かわい。
あたしは、翼君につられてニッコリ笑った。
翼君は、二歳になったばかりだと教えてもらった。
でも、このお母さん、よく見ると年齢がけっこういってるように見える。
三十……四十代かなぁ……。
翼君の今の年齢からみたら、高齢出産だったんだろうなぁ。
「翼君って、他にも兄弟がいるんですか?」
あたしは、聞いてみた。
お母さんは、少し寂しそうな顔をして「この子だけよ」と答えてくれた。
そして、矢木早智子と名乗ってくれた。
「じゃあ可愛くて可愛くて、しょうがないでしょう」
恭平が矢木さんに聞いた。
「そうね、私が望んで来てくれた子だもの。可愛がろうと、大切に育てようと、毎日考えながら生活しているわ」
そう言うと、矢木さんは泣きだしてしまった。
「どうしたんですか?」
「大丈夫ですか?」
あたしと恭平は、慌てて矢木さんに声をかける。
「ごめんなさい……」
矢木さんは、両手で顔を覆ってしまった。
あたしは、恭平に言った。
「かもな。ツバって言ってるし」
ホントにツバなんだ。
どんな漢字なんだろ。
女の人は、恭平に抱っこされているツバ君を見つけると、慌ててこっちに向かって駆け足で近寄って来た。
「す、すみません。うちの翼がご迷惑おかけしまして」
ツバサ?
あー、翼君かぁ、そりゃそうだよねぇ。
あたしは、心の中で一人納得していた。
「一人で、向こうの方で泣いていたので……でも、お母さんを探して、年齢も名前も言えるしっかりしたお子さんでしたよ」
恭平が、翼君をお母さんに渡しながら言った。
「すみません。興味のある物に気をとられると、あっという間に消えていなくなってしまうんです。さっきは、蝶々がいて追いかけていたら私の視界からいなくなってしまって、本当にすみませんでした。つば、お兄さんとお姉ちゃんに、迷惑掛けてゴメンナサイと、優しくしてくれてアリガトウを言いなさい」
あたしのこと、お姉ちゃんだって、なんかくすぐったい。
翼君は、恭平の顔を見て「たい」と言って、膝を少し曲げた。
かわい。
あたしは、翼君につられてニッコリ笑った。
翼君は、二歳になったばかりだと教えてもらった。
でも、このお母さん、よく見ると年齢がけっこういってるように見える。
三十……四十代かなぁ……。
翼君の今の年齢からみたら、高齢出産だったんだろうなぁ。
「翼君って、他にも兄弟がいるんですか?」
あたしは、聞いてみた。
お母さんは、少し寂しそうな顔をして「この子だけよ」と答えてくれた。
そして、矢木早智子と名乗ってくれた。
「じゃあ可愛くて可愛くて、しょうがないでしょう」
恭平が矢木さんに聞いた。
「そうね、私が望んで来てくれた子だもの。可愛がろうと、大切に育てようと、毎日考えながら生活しているわ」
そう言うと、矢木さんは泣きだしてしまった。
「どうしたんですか?」
「大丈夫ですか?」
あたしと恭平は、慌てて矢木さんに声をかける。
「ごめんなさい……」
矢木さんは、両手で顔を覆ってしまった。