君とみた未来
翼君は、ひな鳥のようにお口をア~ンとして、飴をもらった。
「おいしい?」
「うん」
「じゃ、お母さんの所に戻ろうか」
「うん」
お母さんの所へ戻るまでの間に、翼君は蟻を見つけて座り込んだり、走って転んで走って転んでを何回か繰り返し、お母さんの所へたどり着いた。
恭平の所へ戻ると、矢木さんは笑顔を取り戻していた。
「すみません。大変だったでしょう」
大変?……だったかなぁ。
そうでもなかったなぁ。
「ううん、大丈夫だったよ。ブランコより、蟻とか葉っぱとかに興味があるんだね」
「そうね、動く物には何にでも興味をひくみたい。この前も、ブランコで遊んでいる子供をじーっと見つめてるから、乗りたいのかな?って思ってたら、自分はやりたくなくて動いてるブランコを見ていたかっただけだったのよ。しばらく動かなかったのよ」
あたしは、翼君のその時の行動が見えるようだった。
「本当に、ありがとうございました」
矢木さんは、恭平の方へ顔を向けてお辞儀をしていた。
「いえ、こちらこそ。では、失礼します」
恭平は、一礼すると、めずらしく恭平からあたしの手を握って歩き出した。
恭平のアパートに戻って、旅行のパンフレットを見ていた。
恭平は、ウーロン茶を飲みながら、ただ横になっていた。
「恭平、旅行どこ行く?」
「なぁ、樹理」
「なあに?」
「……いや、何でもない」
「……なによ。何でもないの?旅行の話し?」
「いや、いいんだ」
「もぉ!今は旅行の行き先を決めるのが一番でしょ!あたしが勝手に決めちゃうよ」
「わかったわかった。そろそろ六時だぞ。晩飯どうすんだ?」
「こっちで食べて帰る。恭平何か作って」
「買い物して帰ってくりゃよかったな。何もねーぞ。あ、樹理、テレビつけてくれ『オカジロウ先生の馬鹿馬鹿しい科学』やるから」
「恭平あれ見てんの?」
「まぁ、同じ科学者としてな。けっこうおもしろいんだ、今度授業でやってやるよ」
あたしは、テレビの電源を入れた。
何チャンネルだっけ、馬鹿馬鹿しいは……。
「おいしい?」
「うん」
「じゃ、お母さんの所に戻ろうか」
「うん」
お母さんの所へ戻るまでの間に、翼君は蟻を見つけて座り込んだり、走って転んで走って転んでを何回か繰り返し、お母さんの所へたどり着いた。
恭平の所へ戻ると、矢木さんは笑顔を取り戻していた。
「すみません。大変だったでしょう」
大変?……だったかなぁ。
そうでもなかったなぁ。
「ううん、大丈夫だったよ。ブランコより、蟻とか葉っぱとかに興味があるんだね」
「そうね、動く物には何にでも興味をひくみたい。この前も、ブランコで遊んでいる子供をじーっと見つめてるから、乗りたいのかな?って思ってたら、自分はやりたくなくて動いてるブランコを見ていたかっただけだったのよ。しばらく動かなかったのよ」
あたしは、翼君のその時の行動が見えるようだった。
「本当に、ありがとうございました」
矢木さんは、恭平の方へ顔を向けてお辞儀をしていた。
「いえ、こちらこそ。では、失礼します」
恭平は、一礼すると、めずらしく恭平からあたしの手を握って歩き出した。
恭平のアパートに戻って、旅行のパンフレットを見ていた。
恭平は、ウーロン茶を飲みながら、ただ横になっていた。
「恭平、旅行どこ行く?」
「なぁ、樹理」
「なあに?」
「……いや、何でもない」
「……なによ。何でもないの?旅行の話し?」
「いや、いいんだ」
「もぉ!今は旅行の行き先を決めるのが一番でしょ!あたしが勝手に決めちゃうよ」
「わかったわかった。そろそろ六時だぞ。晩飯どうすんだ?」
「こっちで食べて帰る。恭平何か作って」
「買い物して帰ってくりゃよかったな。何もねーぞ。あ、樹理、テレビつけてくれ『オカジロウ先生の馬鹿馬鹿しい科学』やるから」
「恭平あれ見てんの?」
「まぁ、同じ科学者としてな。けっこうおもしろいんだ、今度授業でやってやるよ」
あたしは、テレビの電源を入れた。
何チャンネルだっけ、馬鹿馬鹿しいは……。