アイショウ
感傷に浸っていたらあっという間にC高前。



今8:30。移動9:00。
なんだ余裕じゃん!


お母さんと別れ、待ち合わせている友達の元へ急ぐ。



歩いていると
「あの制服かわいー。」
という声がたくさん聞こえてきた。

他校の制服を見るとセーラーや紺のブレザー。
似たり寄ったりだ。

確かに色も珍しいし、中学校の制服にしては可愛いかな♪そう思うと少し鼻が高かった。




一緒に受ける3人の友達はすでに集まっていて、挨拶を交わすと

「揃ったね。電話するよー。」
と、携帯を取り出した。


受験者が10人以下の高校に引率の先生はつかないから、誰かが学校に電話をかけることになっていた。


学校に電話をすると、それぞれの担任が1人1人に声をかけてくれた。



熱血教師な竹内。いつもは竹内の言葉なんか信じない。でも今日は凄く頼もしく感じたし、担任が竹内で良かったと思った。


「前川は自慢の教え子だ。頑張ってこい!」


そのたった一言が嬉しかったんだ。





「入って下さーい。」


ザワザワしていた会場の空気が一瞬にして張り詰める。


係の先生の声が2月の寒空に響く。
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