お嬢様とヤンキー
「ユリ子」
すごい威圧でユリ子は名前を呼ばれた。
ダンッ
すさまじい音で周囲が騒然とする。
ユリ子が立ち上がり、テーブルと鳴らしたのだ。
今までの親の教育を反対するように。
「お父様!お言葉ですが、自分の相手は自分で決めます」
「なにを馬鹿なことをっ」
ユリ子に一番反抗したのは母のほうだった。
父は目を瞑りなにかを悟ったようにさえみえた。
「どこへいくの?」
「学校よ」
「待ちなさい、学校なら車で」
ユリ子は部屋を出る手前で立ち止まる。
左手でアッカンベーをした。
「ユリ子っ!」
ユリ子は急いで部屋の外に出た。