お嬢様とヤンキー


ずっと、

鳥かごの中にいた。



外へと飛びだった鳥は


自由を手に入れた。








「お父様、なぜ止めないのですか」

急き立てる母。

「椎名」
父は母のことは気に求めず言った。


「はい」
椎名は一礼する。


「ユリ子を追え。決して見失うな」


「はっ」
次はさらに五度、深くお辞儀した。

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