私立香華学園
とたんに静まり返る体育館。


『今日は、ここ香華学園に
 入った記念すべき日です。
 これから、仲間たちと一緒に
 多くのことを築いていこうと
 思います。』





そう言って座席に戻る小倉真吾。
とたんに体育館中の人が拍手していた。



していないのは私だけ。

しまいには皆が座席を立って拍手し、
『小倉君かっこいーーー!!』
と、さっきの女子の取り巻きたちが
小倉真吾に群がっていた。



てかあんな短い挨拶なんかでいいのか!!?


そう思いながらそいつに目を向けると、


そいつも私を見ていて。
私もそいつから目が話せなくて。




ほんの10秒間ぐらいだったと思う。

でも

私にとってはすごく長い10秒間だった。
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