秋の空を
「ねぇ大地くん、一緒に空を飛ぼうよ。」

気がつくと、風子ちゃんは元の大きさに戻っていた。

「飛ぼうって、僕には羽がないから無理だよ。」

僕が笑うと、風子ちゃんは

「大丈夫よ。」

と言い、僕の背中に手を当てた。

すると、なんと背中から薄い水色の羽が生えてきた。

「すごい…すごいよ風子ちゃん!」

「さぁ、お空を散歩しよう。
これが最後のデートよ。」

風子ちゃんは僕の手を引っ張り、勢いよく上に飛び上がった。

「うわぁっ」

びっくりしたけど、空に浮いているのがとても気持ち良い。

「あっ僕んちがあんなに小さく見える!
公園も!」

そして風子ちゃんと手を繋ぎながらあっちへ飛び、こっちへ飛び、下に下がってまた上がった。

風子ちゃんの持つ風車がくるくる回る。

僕たちは大好きな歌、お空のさんぽを歌った。

「おそらのうえをーランランラン♪
いっしょにとぼうよランランラン♪
たいようさんやーくもさんにー♪
ごあいさつしてーランランラーン♪
アハハハッ」

< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop