上海ふたりぐらし
息子の宿題
 中国の子供は勉強熱心だ。父親と母親、それからそれぞれの両親を含め、一人の子供に6人の保護者がいる。この6人の期待を一心に受けているためである。上海では特にその傾向が強い。息子が通う大学の付属幼稚園でも同じだった。
 ある日、お迎えに行くと、父兄が何やら一生懸命メモをとっている。近付いて見ると、壁に何かが貼ってある。
 宿題だ。
 先生がテーマを決めて問題を貼り出し、父兄がそれを写し、帰宅してから子供に質問する。そして、その答えをまた父兄が書き出し、提出する。最後に子供は、みんなの前で答えを発表する。
 とても面倒だが、二週間ごとに新しい問題が出される。

 例えばこんな問題。

   水について
・水はどこからやってくるのか?
・地球は海と陸とどちらが多いか?
・水を確保する方法

   影について
・人のほかに影があるものは?
・影の形や大きさが変わるのはどうして?

   人と動物(植物)の違い
・人は表情のほかにどうやって自分の意思を伝えるのか?
・動物に表情はあるか?
・植物に男と女の違いはあるのか?

 日本でいうと、理科にあたるような問題。幼稚園にしてはちょっと難しすぎ。

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