上海ふたりぐらし
新しい習慣
 子供もいることだし、やはりケイタイが必要かと知り合いの日本人に着いて行ってもらって買ったが・・・やはり問題発生。
 まともに使えたのは2、3日。充電できない。買った店に持って行くと、別の場所で修理してもらえ、と言う。それか修理すると高くつくので、新しい充電器を買ったらどうかと勧められた。でも、買って数日しか経っていないのに。保障期間があるでしょ、と言っても全然取り合ってくれない。結局、充電器を買ったが、また粗悪品をつかまされないようにと1時間後に来るから、それまで充電するように、と頼んで店をあとにした。
 1時間後、店に行くとちゃんと充電できていた。が、家に戻るとやはりおかしい。電池はすぐなくなり、ケイタイは使えないまま。また騙された。
 それからしばらくケイタイのない生活を送っていたが、家庭教師を雇って勉強することにした私は、連絡用にやはり必要だと判断し、今度は大型の電気店で買ったら、問題なく使えた。
 それから 騙されたことも忘れていたある日、その店の前を通ったときふと思い出した。そういえば・・・ 上海に来たばかりの頃、徐小姐が、言っていたっけ。
「ケイタイを買うときは、私に言ってね。安いけど、この店では絶対買っちゃダメよ。」
 彼女はとっくに忠告してくれていたの、どうやら思い出すのが遅すぎた。

 新しいケイタイを買って私の生活に変化が起きた。私はもともとケイタイでメールを打つのがあまり好きではなかった。親指で文字を打つ作業が面倒くさくてたまらない。PCのキーボードならまだいいのだけれど。日本では、必要最低限しか使っていなかった。
 しかし、これを中国語でやってみると、おもしろくてたまらない。文字数が日本語より少なくて済むし、何だかわからないけど、楽しくてたまらない。もちろん、まだこの頃は、返信するのに結構時間がかかったし、文法も間違いだらけ。でも、文字にすると話すより、より確実に言いたいことが伝わる。辞書をひきながら、毎日のように中国人の友人とショートメールのやりとりをした。
 これに加え、この頃もうひとつ私に新しい趣味が増えた。それは、韓国ドラマを観ること。日本では、全く興味がなく観たこともなかった。母が韓国ドラマにハマっていて、何がそんなにいいのかよくわからなかったが、私は中国でその魅力を発見した。
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