お大事にしてください
体育館に戻っても、特に部活をする気にはなれない。一歩踏み入れるだけで、まるでサウナだ。誰がはじめに口にしたかわからないが、今の彼女達にとって、とてもナイスな意見を言う部員がいた。
「こんなに暑くちゃ、部活なんかしたら死んじゃいますよ。花火大会もあと少しで始まりますし、購買でアイスでも食べて時間をつぶしませんか?」
幸はその言葉を聞いて、尚美との約束を思い出した。
「あ、それいいね。」
一番に賛成した。そして、尚美の方を振り向きこう言った。
「約束のアイス、よろしくね。」
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