お大事にしてください
無3
「今日、理緒の家行っていい?」
友達の奈々は、いつも突然だ。
「えっ、なんで?」
「意味なんかないよ。何となく、今日暇だからさ。」
「そっか、ごめん。今日、お母さんが仕事休みでさ、家で寝てるんだよね。ホント、ごめんね。」
「ううん、いいよ。理緒のお母さん、忙しいもんね。ごめんね、突然。」
いつも、こうやって逃れてきた。もし、奈々が家に来たら・・・。そう考えるだけで、ゾッとする。
こう言う繰り返しが、理緒をどんどん追い込んでいった。目に見えないストレスは蓄積し、いつしか姿をあらわすようになっていった。
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