お大事にしてください
無5
奈々は、すぐに異変に気がついた。
理緒の首もとに、内出血した跡がある。他にも虫に刺されたような赤い斑点も見えた。
「大丈夫、理緒?」
「えっ、何?」
ここでも奈々は突然だった。登校途中の理緒は、いきなり声をかけられ、コケそうになった。ろくに寝てないのと、朝から照りつける太陽のせいで、フラフラしていたのだから当然だ。
「危ない。」
慌てて、理緒の腕を掴んだ。その腕も首と同じような跡があった。
「ホント、どうしたの?これ?」
跡を見て言った。
「あぁ、これ?なんかかゆくてさぁ、思わず掻きまくったら、こんな風になったの。」
「もったいない。そう言う時は掻かないで、軽く叩くんだよ。そうすればかゆみ治まるから。あぁ、男子の憧れ、理緒の白い肌がこんなになっちゃって・・・。」
肌をさすっている奈々の姿は、どこか中年親父のギラギラしたものに似ていた。
「やめてよ。気色悪い。」
「よいではないか。よいではないか。」
「あんたは、バカ殿かっ。」
軽い突っ込みをする元気が、まだこの頃はあった。
理緒の首もとに、内出血した跡がある。他にも虫に刺されたような赤い斑点も見えた。
「大丈夫、理緒?」
「えっ、何?」
ここでも奈々は突然だった。登校途中の理緒は、いきなり声をかけられ、コケそうになった。ろくに寝てないのと、朝から照りつける太陽のせいで、フラフラしていたのだから当然だ。
「危ない。」
慌てて、理緒の腕を掴んだ。その腕も首と同じような跡があった。
「ホント、どうしたの?これ?」
跡を見て言った。
「あぁ、これ?なんかかゆくてさぁ、思わず掻きまくったら、こんな風になったの。」
「もったいない。そう言う時は掻かないで、軽く叩くんだよ。そうすればかゆみ治まるから。あぁ、男子の憧れ、理緒の白い肌がこんなになっちゃって・・・。」
肌をさすっている奈々の姿は、どこか中年親父のギラギラしたものに似ていた。
「やめてよ。気色悪い。」
「よいではないか。よいではないか。」
「あんたは、バカ殿かっ。」
軽い突っ込みをする元気が、まだこの頃はあった。