お大事にしてください
その時、襖が開いた。シミだらけの汚い襖だ。
「なんだい?私の悪口でも言ってたのかい?」
どこの家も似たようなものなのだろうけど、幸の家も母親と祖母は仲が悪い。顔を会わせれば、いつもこんな感じだ。
「お義母さん・・・。」
虚を突かれ、口をあんぐりと開けたままになった。
「わぁ、みっともない。その顔はなんだろうねぇ。幸、こんな顔、真似するんじゃないよ。」
あからさまな嫌味に、母親は下唇を噛みしめ我慢した。ただ、それを我慢出来ない者がいた。幸だ。
「おばあちゃん、その言い方はひどいよ。お母さんは、何も悪い事してないよ。それなのに、なんでひどい事言うのよ。」
「幸まで、私をいじめるのかい?」
やはり孫はかわいいのだろう。強く言い返す事が出来ない。
「いじめてるんじゃないでしょ?お母さんにひどい事言わないでって言ってるだけ。」
幸は必死だ。
「悪かったね。」
小さく、投げ捨てるような言葉を出し、また、襖の向こうに消えていった。
「なんだい?私の悪口でも言ってたのかい?」
どこの家も似たようなものなのだろうけど、幸の家も母親と祖母は仲が悪い。顔を会わせれば、いつもこんな感じだ。
「お義母さん・・・。」
虚を突かれ、口をあんぐりと開けたままになった。
「わぁ、みっともない。その顔はなんだろうねぇ。幸、こんな顔、真似するんじゃないよ。」
あからさまな嫌味に、母親は下唇を噛みしめ我慢した。ただ、それを我慢出来ない者がいた。幸だ。
「おばあちゃん、その言い方はひどいよ。お母さんは、何も悪い事してないよ。それなのに、なんでひどい事言うのよ。」
「幸まで、私をいじめるのかい?」
やはり孫はかわいいのだろう。強く言い返す事が出来ない。
「いじめてるんじゃないでしょ?お母さんにひどい事言わないでって言ってるだけ。」
幸は必死だ。
「悪かったね。」
小さく、投げ捨てるような言葉を出し、また、襖の向こうに消えていった。