お大事にしてください
そんな会話をしながら、二人は廊下を歩いていた。その時、何かが倒れる音がした。結構大きな音だ。
「何?」
ダンボールを床に置くと、幸の足元に消火器が転がっていた。
「なんで消火器、倒れたんだろう?」
「えっ、幸がいつものように蹴っ飛ばしたんじゃないの?」
「ううん、そんな事ないよ。だって、全然痛くないもん。」
二人とも少し気味悪そうな顔をした。が、尚美がすぐに気がついた。
「あぁ、幸。それじゃない?」
幸の持っていたダンボールを見ながら、声をあげた。
「それって?」
「ほら、幸の持ってたダンボールから、衣装の布みたいのが出てるよ。それが引っかかったんじゃないかな?」
言われた通り、見てみると赤い布が、ダンボールから顔を出していた。
「ホントだ。良かったぁ。私、お化けとかその類ダメだからさ。どうしようかと思ったよ。」
廊下の外は薄暗かった。それが妙に、言葉に現実味を持たせた。
「いやだ。私だってそう言うのダメなんだから。変な事言わないでよね。」
そんな事を言った時にかぎって、廊下の蛍光灯が消えたりする。二人は慌てて、その場から逃げ出した。途中、何度か、何かにぶつかった気がした。でも、痛くもないし、仮に痛くても、痛がる余裕なんてなかった。
怖くて、怖くてひたすら教室を目指した。
「何?」
ダンボールを床に置くと、幸の足元に消火器が転がっていた。
「なんで消火器、倒れたんだろう?」
「えっ、幸がいつものように蹴っ飛ばしたんじゃないの?」
「ううん、そんな事ないよ。だって、全然痛くないもん。」
二人とも少し気味悪そうな顔をした。が、尚美がすぐに気がついた。
「あぁ、幸。それじゃない?」
幸の持っていたダンボールを見ながら、声をあげた。
「それって?」
「ほら、幸の持ってたダンボールから、衣装の布みたいのが出てるよ。それが引っかかったんじゃないかな?」
言われた通り、見てみると赤い布が、ダンボールから顔を出していた。
「ホントだ。良かったぁ。私、お化けとかその類ダメだからさ。どうしようかと思ったよ。」
廊下の外は薄暗かった。それが妙に、言葉に現実味を持たせた。
「いやだ。私だってそう言うのダメなんだから。変な事言わないでよね。」
そんな事を言った時にかぎって、廊下の蛍光灯が消えたりする。二人は慌てて、その場から逃げ出した。途中、何度か、何かにぶつかった気がした。でも、痛くもないし、仮に痛くても、痛がる余裕なんてなかった。
怖くて、怖くてひたすら教室を目指した。