お大事にしてください
「いってらっしゃい。あ、ついでに牛乳もお願いね。」
「わ、わかった。」
あまりに素直な返事に、六郎は驚きながら家を出た。
本当は、近所の自販機のミネラルウォーターでも買って、薬を飲んだら散歩でもするつもりだった。しかし、妻に買い物を頼まれてしまった。これでは、本当にコンビニへ行くしかない。自分で言い出した事とはいえ、六郎はやるせない気持ちになった。
「なんで、薬飲むだけなのに、こんな苦労をしなければいけないんだ・・・。」
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