お大事にしてください
扉が開いた。
とても広い会議室だ。そこに男が一人座っていた。男が醸し出す雰囲気は、とても名刺交換をするような雰囲気ではない事は明らかだ。しかし、それでも文太は男の前に立ち、名刺を差し出した。
「はじめまして。代表取締役社長をやらせていただいている香月と申します。この度は誠に申し訳ございません。」
深々と頭を下げ、名刺を突き出している。そこから微動だに動かない。さすがの男も、ここまでされては立ち上がるしかなかった。
「いえ。私は総務部統括部長をやらせていただいております・・・新庄と・・・申します。」
野太く迫力のある声。河本が強面と言ったのもわからないではない。しかし、心なしか雰囲気が違う。河本はそう感じた。何か文太に対して怯えているように見える。
「まぁ、お掛け下さい。」
さっきまで椅子の上にふんぞり返っていた、話しがたい雰囲気とはまるで別人だ。
(いったいどうしたんだろう?)
河本の目には、文太が何かやったようには見えない。ただ、名刺交換をしただけだ。たった、それだけの事で立場が逆転してしまっていた。
とても広い会議室だ。そこに男が一人座っていた。男が醸し出す雰囲気は、とても名刺交換をするような雰囲気ではない事は明らかだ。しかし、それでも文太は男の前に立ち、名刺を差し出した。
「はじめまして。代表取締役社長をやらせていただいている香月と申します。この度は誠に申し訳ございません。」
深々と頭を下げ、名刺を突き出している。そこから微動だに動かない。さすがの男も、ここまでされては立ち上がるしかなかった。
「いえ。私は総務部統括部長をやらせていただいております・・・新庄と・・・申します。」
野太く迫力のある声。河本が強面と言ったのもわからないではない。しかし、心なしか雰囲気が違う。河本はそう感じた。何か文太に対して怯えているように見える。
「まぁ、お掛け下さい。」
さっきまで椅子の上にふんぞり返っていた、話しがたい雰囲気とはまるで別人だ。
(いったいどうしたんだろう?)
河本の目には、文太が何かやったようには見えない。ただ、名刺交換をしただけだ。たった、それだけの事で立場が逆転してしまっていた。