お大事にしてください
この場で悪いのは文太達の方だ。それなのに何故かそう見えない。端から見れば、男の方が悪いように見える。そうさせるだけのものが、文太からは滲み出ていた。
「いや、もう大丈夫ですから。えっと、香月さんでしたか・・・、弊社でも、かなり強引なお願いをしてしまった事もありますし・・・、今回は御社のご提案通りに進めましょう。どうですか?これでどうにか勘弁していただけませんか?」
(えっ?)
一番驚いたのは河本だった。
(この間は未来永劫取引しないとか言ってたのに。この掌を返したような態度の変化はなんなんだ。)
「ありがとうございます。」
礼を言い、会議室を出た。
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