お大事にしてください
「これと、これと、これと・・・。」
どれだけ頼むのだろう。河本は口をあげながら、文太の注文する姿を眺めていた。ものすごい量だ。メニューのほとんどを頼んだのではなかろうか。
(よ、よく食べるなぁ・・・。)
対して河本は、レディスセットだ。
「お前、それでよく足りるな。」
「昔から食が細いんですよ。僕にとってはこれでも多いくらいかな。」
メニューを見ると、肉が五、六枚とサラダにスープ、普通盛りのご飯、デザートが載っている。文太にとってはおやつにもならない量だ。
「だからダメなんだ。」
河本はしまったと思った。文太は食が細いイコール仕事が出来ないと言った偏ったイメージを持っている。一緒に食事に行く時には、嘘でもたくさん頼まなければいけないのだ。食べきれなくても、必ず文太がたいらげてくれる。だからこそ、この体型なのだ。
「いつまでも食べないから、そんなモヤシみたいな体なんだ。いいか、男は太っているくらいが、ちょうどいいんだ。そうすれば今日みたいな事があったって、クライアントが何か言ってくる事もない。」
「はぁ、そんなものでしょうか・・・。」
「そうだ、そうに決まってる。現にうまくいったじゃないか。」
それは少し違うと思ったが、絶対に言えるはずもない。
「そうですね。」
「だろ、だったら食え。もっと食え。」
山ほど積まれた皿を一枚、河本に差し出した。
「ありがとうございます。」
「まったく、最近はどこでもメタボ、メタボ言いやがって。太っているののどこが悪いって言うんだよなぁ?自分の体だ。人様にとやかく言われたくないってんだ。」
一人熱くなっている文太をよそに、河本は黙々と肉を焼き続けた。と言うか、いつの間にか肉を焼く係になっていたようだ。
どれだけ頼むのだろう。河本は口をあげながら、文太の注文する姿を眺めていた。ものすごい量だ。メニューのほとんどを頼んだのではなかろうか。
(よ、よく食べるなぁ・・・。)
対して河本は、レディスセットだ。
「お前、それでよく足りるな。」
「昔から食が細いんですよ。僕にとってはこれでも多いくらいかな。」
メニューを見ると、肉が五、六枚とサラダにスープ、普通盛りのご飯、デザートが載っている。文太にとってはおやつにもならない量だ。
「だからダメなんだ。」
河本はしまったと思った。文太は食が細いイコール仕事が出来ないと言った偏ったイメージを持っている。一緒に食事に行く時には、嘘でもたくさん頼まなければいけないのだ。食べきれなくても、必ず文太がたいらげてくれる。だからこそ、この体型なのだ。
「いつまでも食べないから、そんなモヤシみたいな体なんだ。いいか、男は太っているくらいが、ちょうどいいんだ。そうすれば今日みたいな事があったって、クライアントが何か言ってくる事もない。」
「はぁ、そんなものでしょうか・・・。」
「そうだ、そうに決まってる。現にうまくいったじゃないか。」
それは少し違うと思ったが、絶対に言えるはずもない。
「そうですね。」
「だろ、だったら食え。もっと食え。」
山ほど積まれた皿を一枚、河本に差し出した。
「ありがとうございます。」
「まったく、最近はどこでもメタボ、メタボ言いやがって。太っているののどこが悪いって言うんだよなぁ?自分の体だ。人様にとやかく言われたくないってんだ。」
一人熱くなっている文太をよそに、河本は黙々と肉を焼き続けた。と言うか、いつの間にか肉を焼く係になっていたようだ。