お大事にしてください
「いらっしゃい。」
老人に声をかけられ、はじめて自分が店の中にいる事に気がついた。
(・・・こ、ここは・・・?)
「どのような物をお探しで?」
「あ、いや、あの・・・。」
どうにも間違えて入ったとは言い難い雰囲気だ。文太がたじろぐようなオーラを、老人は全身から溢れさせている。それを感じ、慌てて目の前にある商品を手に取った。
「こ、これ下さい。」
「毎度ありがとうございます。」
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