空物語

「本当。早くしないと、遅れるよ。」

「わぁ〜!!!それだけは嫌だ!!」

「じゃあ、急ごっか??」



慌てて帰りの用意をする私たち。
支度を終え、急いで教室から出ようとすると、誰かに頭を叩かれた。



「いったぁ〜!!」

「おい、月岡ー。部活中にも居眠りしたりすんなよ!!」

「んな…!!寝るはずないでしょー!!!」



私の頭を叩いた張本人。
中村大星(ナカムラタイセイ)。
入学式の日に迷子になっていた私を助けてくれたことから、今ではこんな嫌みを言い合う仲に。

ほぼ毎日のようにこんなケンカをする私たち。
でも、これは私たちの昼の姿。
誰も私とあいつの本当の姿を知らない……


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