シュガーラブ
いつもよりも百倍真剣な顔をしている光汰のせいで、わたしも少しだけ緊張してきた。
「な、なに?」
「金じゃ買えねーもの」
「え、」
唇が触れて離れたのは、ほぼ同時みたいなもんだ。
たった一瞬のただ触れるだけのキス。
わたしだって、高校二年生。キスをしたことないなんてことはない。
わたしが今、こんな事故みたいなキスに驚いているなんてことはない。
「光汰…」
「か、金じゃ買えねー、もん」
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