シュガーラブ



赤い顔でまたそう言うと、今度はベッドの上のわたしに覆い被さった。そしてまたキス。

ぎこちなく舌が入って、ぎこちなく舌を絡ませた。


息が苦しい。下手くそ、がき。
ばか…。


しばらくして、光汰がいきなりキスをやめた。
ぱっと体が離れて、光汰がますます意識し始めてベッドから降りた。

赤い顔で勢いよくドアを開けて出て行った。



わたしはぽかーんと、さっきまでの出来事を反芻する。


光汰にされたのはキスだけだった。

触れるだけと深いの。二つを残して、あいさつもせずに光汰は帰った。


わたしの部屋に来る用事はちゃんとあったみたいだ。


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